物理学実験指針 <第2版>

物理学実験指針

様々な物理学実験を行うことで基礎的な大学物理学をより幅広く,且つより深い知識を身につけることを目指して改版した物理学実験書.

著者 須藤 誠一
飯島 正徳
長田 剛
門多 顕司
菅谷 幹治
津村 耕司
中村 正人
西村 太樹
ジャンル 物理学
教科書
教科書  > 採用見本
出版年月日 2024/04/01
ISBN 9784808220822
判型・ページ数 A4・136ページ
定価 2,420円(税込)
在庫 在庫あり
第2版4刷

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 時代も「平成」から「令和」に変わり,超スマート社会の実現に向けた研究開発が加速している.インターネットに接続することによる情報収集や人工知能(AI)による制御によって,既存状態では情報処理能力を備えていなかった器具に,高度な情報処理能力をもたせるスマート化は,ユーザーのサポート機能を飛躍的に向上させることから,超スマート社会実現の核となっている.これらの発展には,制御のソフトウェア化や,集積回路の超微細化によるブラックボックス化が必須であるため,その内部構造や動作原理を遡って解明できないことが懸念される.

 例えば,人工知能が学習を重ねることで独自の判断を下すAI アシスタント機能では,判断を聞いたユーザーが,その根拠を理解できない場面をしばしば見る.これは集積回路の設計者が不在で,その内部構造が不明なため,所定の入力に対して定められた動作を行なっている回路の出力の意図が理解できないことと似ている.入力から出力までの一連の流れを理解するためには,その道筋における基礎的な知識や理解が必須であり,工程の原点となっているアナログチックな考えに戻ることも必要となるだろう.これらの背景を顧みて,本学の物理学実験では,様々な実験を行うことでより幅広く,且つより深い知識を身に付けるとともに,高校物理学を履修していない学生でも基礎的な大学物理学の教本が読み込める素養を身に付けさせることを目指すこととなった.(本書まえがきより抜粋)

 第1 章 物理学と実験
1.1 物理学と実験 
1.2 学生実験の手順 
1.3 実験ノート 

 第2章 基本量の測定 
2.1 時 間 
2.2 長 さ 
2.3 質 量 
2.4 温 度 
2.5 物理量の単位と次元 

 第3章 測定値の取り扱い方 
3.1 有効数字
3.2 不確かさ
3.3 不確かさの伝播法則
3.4 加重平均法
3.5 最小2 乗法 

 第4章 実験課題 
4.1 エアートラックを用いた速度・加速度の測定1 
4.2 エアートラックを用いた速度・加速度の測定2(運動の法則) 
4.3 落下体の位置と速度の測定(エネルギー保存則)  
4.4 エアートラックを用いた速度・加速度の測定3(運動量保存の法則) 
4.5 密度の測定 
4.6 サールの装置によるヤング率の測定 
4.7 ユーイングの装置によるヤング率の測定 
4.8 ボルダの振り子による重力加速度の測定 
4.9 モノコードを用いた定常波の観測 
4.10 回折格子による光波長の測定 
4.11 電気回路の測定 
4.12 電位分布の測定 
4.13 ホイートストンブリッジによる電気抵抗の測定 
4.14 電子の比電荷の測定 

 第5章 研究論文と実験レポート
5.1 学術論文 
5.2 レポート作成にあたっての諸注意 
5.3 式,表,図の取り扱い 
5.4 レポートの例 

 第6章 表計算ソフトを用いたデータ解析
6.1 はじめに 
6.2 データの入力と,表・グラフの作成 
6.3 数値解析 
6.4 データファイルの読み込みとデータの解析
 
 第7章 付 録
7.1 定数表 
7.2 公差(許容差)表 
7.3 本書に登場する人名 
7.4 物理実験参考書 
7.5 物理定数表 
7.6 国際単位系(SI)  
7.7 原子量表(2021)  

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